「マネー・ボール」を読んだ

4150503877マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル・ルイス 中山宥
早川書房 2013-04-10

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先日の落合氏がGM就任の件以来、「マネー・ボール」の話しがよく出るのでとりあえず原作読んでみっかと。映画にもなってますね。

アメリカ メジャーリーグのオークランド・アスレチックのジェネラルマネージャ、ビリー・ビーン氏が主人公の話しです。2001年〜2002年くらいのシーズンを中心に書かれています。

メジャーリーグでも、主観的なドラフトや選手編成が行われている中で、アスレチックスはデータ中心の編成を行うことで、少ない総年俸額でも金満球団と互角以上の成績を残している、というもの。

従来のスカウトは身体能力が優れている選手を獲得したがるが、データ的には選球眼が優れていて出塁率が高い選手の方が成功しやすいとか、高校生はプロ入後の成長が未知数なので、大学から獲得した方が成功確率が高いとか、過去のデータを調べ尽くして勝つための手を打っていきます。

従来の価値観を壊して、新しい手法で少ないコスト(年俸)で、勝利に貢献できる能力があるのにその価値を見いだされていない選手を見つけて獲得し、チームを上位に導いていくのはなかなか痛快です。

が、プロ野球ファンとしては、選手や監督・コーチに思い入れを持って応援しているんですが、この物語にでてくるGMたちは、選手を商品のように扱い、より価値の低い選手を放出して価値の高い選手を獲得する、ということをゲーム感覚でやっているように描写されています。
また、監督の采配に着いても、無能な監督に優秀なGMが指示を出しているような書き方になっていて、それはそれで違和感を感じます。

それでも、従来の野球ならではのデータの見方に慣れてしまった人(私含む)には新しい視点があって面白いです。

打撃3部門は打率、ホームラン、打点、となってるんですが、この内「打点」だけが、打席に立ったときに塁上にランナーがいるかどうかで成績が異なってきて、これを打者の成績として評価するのはおかしいとか、守備のエラーは人が主観的に判断しているのでデータとしての客観性に欠けるとか、打率よりも出塁率のほうが勝利の貢献度は高いとか、言われてみればそうだけど疑問に思わなかったなーと。

いや、打点については野球のルールを覚えた頃に「なんかオカシイ」と思った記憶はあるんだけど、いつのまにやらそれが当たり前になってしまったなあと。

そんなわけで、来季からドラゴンズのGMに落合博満氏が就任するわけですが、どんなチーム作りをしていくのか楽しみなような、怖いような。