「こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます」を読んだ

B00HA0WP4Mこころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です (impress QuickBooks)
林 公一
インプレスコミュニケーションズ 2013-12-13

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人気サイト「Dr林のこころと脳の相談室」の「精神科Q&A」の名作集です。

すでにネット上で公開されているQ&Aを再編集したものなのですが、Q&Aの選び方とか網羅性とか、特徴的なケースを学ぶという意味で本書は精神病を興味本位で覗くにはわかりやすいパッケージになっているんだと思います。

プロローグ変わりに「興味本位はダメですか?」というQ&Aが載っていまして精神病に興味をもった男性から「ただの興味で精神病について知ろうとするのは実際の精神病患者さんや関係する人たちにとって失礼なことでしょうか?」という質問が載っています。
この質問に対し、林先生は「興味本位は無関心に優ります」と答えられていて、無関心でいるよりも興味を持つことが大切、ということで完全に興味本位で読み始めた僕にとっては安心して読み進められました。

タイトルの中に「“こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です」とあるのだけど、「こころの風邪」というキャッチコピーは鬱病にたいする偏見をなくすことには貢献したけども、大いなる誤解を蔓延させたことも事実としてあるみたいで。

心の問題じゃなくて、脳の問題だと。

そいや以前鬱病についてエントリー書いたことあったような、と思って探したらありました。

心の風邪(2013.02.07)

で、実際は心が風邪をひいたわけじゃなく、脳の病気のようです。
脳の疾患が、現象として心を弱らせてる、というのが実体に適した表現なのではないかと。

この時も心の問題じゃなく脳の問題だと、気分の問題じゃなく人体の問題だと、原因の根本はメンタルじゃなくフィジカルだと、そういうことが言いたかったと思うんだけどずいぶん遠慮した書き方してるなあ。

そんなわけで、精神病に興味のある方は、精神病を患ってる方やその周辺の方々が赤裸々に質問をしている本書をぜひ読んでもらえたらと。

最後に、林先生の信念がこの文章に現れている気がしたので、その文章を引用しときます。

事実の隠蔽は最悪。無関心にさえ劣る。隠蔽されたら、無関心することさえできない。隠蔽とは、存在の否定。存在の否定とは、抹殺。だから無関心は隠蔽に優る。興味本位ははるかに優る。